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2009/06/06

ぼくのメジャースプーン 辻村深月

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)辻村 深月

講談社 2009-04-15
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おすすめ平均 star
star現代の罪と罰とは?

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 ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった……。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これは僕の闘いだ。

 辻村作品を読んだのは、今回が初めて。
 ちょこっとネタバレしていますm(__)m

 お一人様テーマパーク、あるいは脳内シアター。作品世界にトリップして疑似体験し、浮世の憂さを忘れる至福のひとときというのが、私にとっての読書の楽しみ。

 でもこの作品は『共鳴』じゃなくて『共振』。いきなりがしっとわしづかみにされたと思ったら、もうむちゃくちゃに振り回されて、心の奥歯をがたがたいわされてしまいました。こんなことは初めてです。
 
 犯人に罰をくだすため、先生とのやり取りの中で罪の重さを計る『ぼく』。

 どういう言葉を選ぶのだろうと思いながら読んでいて、物語の中盤で『あ、もしかしたら……』。とたんに涙がぶわりとあふれて。

 そうじゃなければいいのに。

 でも、ストーリーはどんどんそちらに流れていく。苦しむふみちゃんがピアノに手のひらを思いきり振り下ろした音を聞いた『ぼく』に降りてきた天啓。『ぼくにだけ言えること、できること』。

 それは車椅子のうさぎへの手紙で決定的に。ああ、やっぱりそうするつもりなんだね。

 続きを早く読みたいのに、涙でページが見えなくなるし、鼻水は垂れるしで(汚い話でてゴメンナサイ)。

 読み終わった後もしばらく泣いていたんですが、落ち着いたら急に心配になってきた。

 もしかしたら、私、壊れてる? 

 でも、解説を読んだら安心しました。書かれてる反応が同じだった。

 犯した罪とそれにふさわしい罰。『ぼく』と先生の話の中で、いろいろ考えさせられる。

 理不尽な出来事に薙ぎ倒され、傷ついた子どもたちのかなしみと苦しみ。そこから立ち上がって闘う、強さと優しさと、掛け値なしに純粋な、相手を思いやる気持ち。

 そしてエピローグで訪れた、静謐であたたかい『救い』。明日からまた、生きていける。そう思わせてもらいました。

 ぜひ、子どもたちに読んでほしい。大人になる前に。

 あ、オトナでも、間に合うと思います(笑)

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