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2005/08/30

広島・昭和20年8月6日

 TBS系列放送の、涙そうそうプロジェクト・ドラマ特別企画『広島・昭和20年8月6日』を見ました。

 うちのほうでは中学校の社会のテストで、原爆がいつどこに落ちたかっていう問題が出題されます。子どもたちは当然一生懸命覚えるんですが、それを見ていると、いつも複雑な気持になります。

 私が中学生のころは、そんなこと覚えなくても、みんな知ってたから。

 1昨年放送されて印象的だったドラマ『さとうきび畑の唄』のスタッフが作ったドラマだというので、見てみました。

 仲良く暮らしていた4姉弟の、原爆投下までの20日間を描きます。

 日常のエピソードを積み重ねていく演出が、原爆の悲惨さをきわだたせました。

 弟は少年航空兵に志願させられて、広島を離れます。これがけっきょく彼の命を救うことになるんですが。

 弟が志願した日に、縁側で自分の姉たちへの思いを語るシーン、姉たちが駅で弟の出征を見送るシーンが、とても印象に残りました。

 3姉妹は不自由な時代を、それぞれの夢や希望を胸に、毎日を一生懸命生きています。そこへ原爆が投下され、なにもかもが一瞬で失われてしまうのです。この姉妹だけではありません。亡くなったすべての人が、そうだったはずです。

 長女が母親にひどいことを言ってしまったという告白から、次女の結婚式、写真撮影のときに長女が『これからは、みんなと自分の幸せのために生きていきます。ありがとう』と言った場面まで、思わず引き込まれてしまい、あ、このあと原爆が落ちるんだったと思い出して、暗澹たる気持になりました。

 ラストでやっとの思いでたどりついた長女の恋人が、彼が贈った懐中時計(溶けている)を瓦礫から見つけ、その側の石に焼きついた人影が長女だとわかり、石を抱きしめて号泣したのは、とてもきつかったです。

 時が流れて60年後、高校生に原爆の話をする弟のこの言葉が、ドラマが一番言いたかったことでしょう。

 『どんなもっともらしい理由をつけても、人間の上にあんなものを落としちゃいかんです。私ら ひとりひとりが いかなる戦争も嫌だと言うしかないんです。それが戦争で死んだ人たちに私らができる、たったひとつのことじゃないでしょうか』

 エンドロール、私は正視できませんでしたけど、原爆は絵空事じゃないんだってことがストレートにわかるから、よかったと思います。

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コメント

アメリカが自国の記念館でB-29を展示し原爆を落としたその趣旨や主張として
「我々が原爆を落としたおかげで戦争を終わらせてやったのだ」という、あたかも原爆を肯定し投下した正当性を主張しているのは到底承服出来ないことです。
アメリカが原爆を落とし、無差別大量殺戮を行った事は紛れもない事実なのですから。

その原爆による無差別大量殺戮の罪に関し東京裁判で問われるも闇に葬り、戦後罪を一切問われていないことも到底承服出来ないことです。いかにあの裁判が戦勝国による不当なものであったか。

世界で唯一の被爆国である日本だからこそ、核兵器廃絶の願いをよそ目に、戦勝国を中心とした各国の核兵器開発は未だに続いている。
被爆国の日本国民として言いたくなりますよね、

テメェら原爆がどんだけ悲惨なものなのか分かってるのか!!と・・・。

投稿: 睦月兵馬 | 2005/08/30 18:30

少しでも戦争について理解に努めようと、ビデオに録画して何度も観ました。

戦争で大事な人を失ったのは日本人だけではありませんが、それが核を正当化する論理に行くのはどう考えてもおかしいと思います。
それに冒頭で年明が語った原爆投下の二つの理由。「自力で日本を降伏させる為、原爆の威力を試す為」もしこれが事実なら本当に信じられません。
見栄や誇示の為に多くの人々の命を奪ったのかと思うと。

原爆の落ちた広島で、帰ってきた志のぶの恋人、道昭が泣き叫ぶ姿が胸に響きました。
皆折角これからという時だったのに・・・。

ドラマでも言っていましたが、本当にもう過ちは繰り返さないで欲しいです。

TB致しました。

投稿: 自選孝 | 2005/08/31 01:50

 睦月兵馬さん、自選孝さん

 自選孝さんが書かれているように、ドラマでははっきりと、原爆投下の理由としてそのふたつをあげていて、見ていて、あ、と思いました。

 いくら戦争でも、何をやってもいいってもんじゃないですよね。

 ドラマの最後に、『過ちを忘れた頃、人はまた同じ過ちを繰りかえします。広島・長崎の悲劇を決して忘れてはなりません』ってテロップが出ましたけど、本当にそのとおりだと思います。

 自選孝さん、TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきましたm(_ _)m

投稿: ふみさと | 2005/08/31 03:49

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