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2004/11/09

ホテルニューハンプシャー

ホテル・ニューハンプシャー
ジョディ・フォスター ジョン・アーヴィング トニー・リチャードソン ロブ・ロウ

紀伊國屋書店 2004-11-20
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 いやあ、いろんな意味ですごい映画でした。こんなストーリー(ネタバレです。ご注意ください)。

 お父さんとお母さんは若いころホテルのバイトで出会い、フロイトという旅芸人からメーン州っていう熊を買って、フロイトの助言どおり結婚します。月日は流れて5人子供が生まれるんだけど、長男のフランクははゲイ、長女のフラニーと次男のジョンはお互いが好き。次女のリリーは背が伸びない。末っ子のエッグは原作では難聴らしいんだけど、映画ではそうではないみたい(このエッグ役はセス・グリーン。『バフィ~恋する十字架』のオズ役の人らしい)。お父さんは突然教師をやめて、家族が一緒に働けるからってホテルを始めます。その名前がニューハンプシャー。ハロウィンにフラニーがレイプされて、クリスマスにおじいちゃんが死んじゃって、フロイトから、ウィーンで一緒にホテルをやろうって手紙が来て、一家はウィーンへ。ところがお母さんとエッグの乗った飛行機が事故にあってふたりは帰らぬ人に。フロイトは戦争で失明していて、自分が人と接して傷つくのが嫌で熊の毛皮をかぶってるスージーっていう女の子もいます。あとホテルには過激派と娼婦が住んでます。過激派がオペラ座を爆破しようとしてて、それを一家は阻止するんだけど、フロイトは命をおとし、お父さんは失明してしまいます。でも、過激派をやっつけたことで一家は有名になり、リリーが書いた家族についての小説が売れ、みんなでアメリカに帰ります。お父さんはまたホテルを買って、小説が映画化されてそれにフラニーが出演。それからえーと、フラニーとジョンは思いをとげます。リリーが小説に行き詰って窓から飛び降りて自殺。フラニーが結婚。スージーも一緒に住むことになって……一家はまた生きていくのでした。

 これでもかってほど、不幸が起きるんだけど、めげないで生きていく一家なのでした。なにせ、しょっぱなから熊だもん。メーン州。どうしてこいつを買うんだ?すご~く不条理のにおいがする。『ガープの世界』と何だか似てるな(ちゃんと読んでないけど)と思ったら、同じジョン・アーヴィングだった(^_^;)犬もいるんだ、ソロウ(sorrow)。この犬はくさいからって処分されちゃうんだけど、剥製になって飛行機事故まで一家にい続ける。で、この犬の剥製が狂言回しっぽい役割をしてる気がする。sorrow(悲しみ)って名前の通りに……。そんでもって、また熊が登場。正確には熊の毛皮をかぶった女の子なんだけど。

 印象に残ったシーンは、最初のフラニーとフランクのケンカ(笑)。フランクがフラニーとジョンに「俺はゲイだ」って言うと、「わかってる」「平気さ」って返事が帰ってきたとこ。レイプされたフラニーにジョンが「何かいるものある?」「昨日までの私」。お母さんと末っ子が亡くなったときに、過激派が「革命的にお悔やみを申し上げる」って言ったのがおもしろかった。フラニーとジョンが思いをとげるシーンも、まあいわゆる近親相姦ってことなんだけど、すごくからっと描いてて、なんだかさわやかでほほえましい。いろいろあげたけど、結局全部がとっても印象に残った映画でした。

 映画はキャスティングですべてがきまるって言ってる監督もいますが、この映画はキャスティングがばっちり。フラニーのジョディ・フォスターも、ジョンのロブ・ロウも、スージーのナスターシャ・キンスキーも、そしてフランクのポール・マクレーンも、みんなぴったりって感じです。ポールってうまい役者さんなんだなって再認識。もちろんロマノじゃないんだけど、声が同じだし、ちょっとしたしぐさとかしゃべり方、顔の表情に共通点を見つけてうれしかったり。

 エキセントリックな家族のエキセントリックなストーリーなんだけど、とっても深い。「人生はおとぎ話だ」ってのがキーワードになってるとおり、おとぎばなしみたいに荒唐無稽で、おもしろくて、ちょっと残酷な映画です。あと、「開いた窓は見過ごせ」っていうのがあって、「飛び降りないで生きろ」ってことみたいだけど、これ、リリーが一番言うんだよね。結局リリーは見過ごせないで、飛び降りてしまうんだけど、自分が見過ごせないかもしれないっていう予感というか危惧が、ずっとあったのかな。

 この映画、もっと若い時に見ればよかったなって思いました。公開当時見てたら、すごく影響を受けたでしょう。あのころの自分の好みや、考えてたこととか思い出すと。今はもっと違うところでちょっと胸がイタイ。「リリーは手に余る夢を抱いた」とか(^_^;)

 いつか原作を読んでみたいと思います。

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コメント

はじめまして
あまりになつかしい「ホテルニューハンプシャー」の
文字についふらふらと…
公開された時に見ました。いつ見たのかも忘れてしまいましたがもしかしたら20年近く前?なのにいまだに映像は印象に強く残っています。なつかしく思い出されました。ありがとうございました。

投稿: myu | 2004/11/09 06:50

 こちらこそはじめまして。コメントありがとうございますm(_ _)m

 『ホテルニューハンプシャー』は1984年製作だそうなので、公開はそのころでしょうか。おっしゃるとおり、20年くらい前になりますね。公開時にごらんになられたとはうらやましいです(^^)私も見ればよかったです。

投稿: ふみさと | 2004/11/09 22:17

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